出崎ヒロインは水に落ちねばならない

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 NHKBSでのプロモ以降、気になっていた出崎監督の新作アニメ・ウルトラヴァイオレットの放送がはじまりました。

 ひさしぶりに見た出崎アニメですが、もう画面から漂うすべてが出崎アニメ! キャラデザインは当然杉野デザイン! くはー!
 これから毎週至福のひと時が過ごせる訳ですね。ウフフ、アハハ。

 

 前作『雪の女王』は毎週お茶の間に微妙に顔が違うヒロイン・ゲルダ(4パターンぐらいあった)が登場し、しかしどのチームも「これが正しいゲルダちゃんなのだ」という各自根拠のない自信に満ち溢れる画面が視聴者を圧倒しましたが、子供向けということもあって全体的に明るいトーンのタッチのアニメでした。
 今回はどちらかといえばOVA『ブラックジャック』を思い出す、ダークで濃いタッチの作風になるようです。

 『ブラックジャック』でファンになった世代には懐かしくも、デジタル処理された画面が新鮮。
 出崎作品といえばやたらコンピューターが出てきますが、それもとうとうPCで作画するようになったというのが感慨深くもあります。

 第二話まで見ましたが、作画クオリティも依然OVA並みの高さをキープ。
 ハリウッド映画が原作ということもあって、海外資本の気配もそこはかとなく感じます。最近は「監督はこの人」という指名を受けて、海外でのみ公開されるジャパニメーションもあるようなので、実際そうなのかもしれません。はたして背後には某ウォシャウスキー兄弟のような出崎監督ファンがいるのでしょうか。出崎監督でフランク・ミラーがアニメ化されるといいのに。

第一話

 高層建築で地表が埋め尽くされた未来の地球。
 地下組織ファージの集会に紛れ込んだヒロイン・44(フォーティーフォー)が、リーダーの老人を3連続カットでブシャーと斬って捨てるステキな登場シーンで幕を開けます。

 どうみても悪人の44ですが、その正体は政府の派遣した暗殺者。
 国家権力=悪の出崎スキームがのっけから炸裂してますが、もはやファンは疑問を意識にも上らせませんよ。これがあるべき出崎ワールド。

 

 ヒロインの44は謎の地下組織ファージ、そのリーダーであり世界政府からの独立運動を扇動する通称キングを追っていますが、さすが声がハンニバルだけあって、凄腕の44をもってしても見つけることすらできない日々が続いている模様。

 「最後までやりとげたい」と意味深なモノローグをつぶやく44。

 実は対ファージ用の暗殺者として、運動能力を引き出す特殊なウィルスに感染させられた彼女は明日をも知れぬ命なのでした。

 定期健診を担当するガルシア医師は、「そんな兆候なんてどこにもない」「お前は7年型だ」と励ましますが、その必死さが逆に残酷。なんかブラックジャックで、いい人ばかりが登場するエピに出てきそうなお医者さんですね。44を助けてとBJに陳情に行きそうです。

 さらに、ガルシア医師の口から44が実は19歳というのが明らかに。なるほど。出崎ヒロインにしては胸がないと思ったがそういうことか
 確かにアニメギガで女の子っていってましたもんね。

 

 そして、独立蜂起を訴えて各地を行脚するキングを追って外宇宙へ向かう44。

 「SFっぽいもの」の登場を察してサッと不安がよぎりますが、あ、大丈夫、今回はシャトルとかすごく普通です。普通のSFアニメ並みです。出崎アニメには思えないほどナイスデザイン

 さっそく潜伏先のホテルでファージ側の刺客に襲撃されてる44だけど、いやこれなら次回も安心です。


第二話

 さてやってまいりましたキングクーロン、じゃないネオトキオです。ネーミングで後ずさりしないアナタ出崎ファンですね、判ります

 

 さて、勢いだけで見るものを引き込んだ1話に続き、2話ではその世界観について言及。

 44をはじめとする兵士はクローン人間であり、政府に単なる消耗品として扱われているという一方、44にザクザク切り刻まれているファージたちは過去に世界規模でのパニックを引き起こしたファージウィルスのキャリアであり、発症すれば命が危ういという立場でありながら世界政府によって弾圧され、やむなく地下に潜伏している、というアウトラインがとうとうと語られます。

 なるほど、同じファージ同士なのに44は一方的に強いなあと思ってましたけど、そういうことですか。

 

 例によって単独行動で、件のごとく下水道に突入する44。
 地元警察は誰も助けてくれないのか。FBIよりヒドイ扱いを受けてる気がしますが、彼女キリングマシーンなので一人でも全然平気。

 しかしキリングマシーン・ムラトではない視聴者は、画面が暗くすぎて何が写ってるのかコントラスト調整してもサッパリです。ぬうう、なんで監督は下水道とゲリラが大好きなのだ。ゲリラルック=死亡フラグなので、監督が好きなのかどうかは微妙なところですが。

 と、リモコンと格闘している間に、ネオトキオ支部の爽やかなリーダー・ルカが44に追い詰められてます。だからハンニバルの言うことは聞いていけないと言ったのに。

「お前なんかに処理されてたまるかー!」

 下水道の滝つぼに身を投げるルカ。ドボーン。

 しかしそれは自殺行為、きっとその廃水の比重は水のナントカ倍なので自力じゃ浮いてこれません! たぶん!
 どうみてもデジャブなシーンですが、あっ、鯨捕り三冠王じゃない44はそのままスルーしますよ。

 と思ったら、銀河の彼方からシロー兄さん、いえ、電波が話しかけてきて、俄然滝つぼに飛び込む気になった44。
 滝つぼの底にマーマのように沈んでるルカを救助! に、かこつけて唇を奪い、そしてねぐらのホテルに直行!

 デジャブを上回る展開。エロ心の塊ダクサスさんでも受け入れがたい状況ですが、視聴者も「いやそれはどうか」と思う状況で次回に続く。

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