モノローグでは語られないこと

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第4話「鎖」

 体内に埋め込まれたGPSを抜き取り、これで文字通り、中央統合省の管理下から抜けた44。

 ルカの身柄を預けたマチルダ医師の診療所へ向かうが、病床で錯乱したルカとは話し合うこともできず意気消沈する。
 一方、ネオトキオには中央統合省から派遣された724は、44の動向を察知、ファージフォーラムを扇動し診療所に向かわせる。

第5話「脱出」

 ルカの身柄を引き取るために診療所におしかけたファージフォーラムは44と遭遇してしまうが、それは警察の罠だった。
 警察の包囲網をやぶって逃走する44を、724が急襲。ネオトキオは戦火に包まれていく。

 724を退けた44にガルシアは、「お前は自由なんだ!」と言って聞かせる。


 絶対的な戦闘能力を持ちながら迷走を続ける44に、いやこれからどうなるんだと先の見えない展開が続きましたが、ガルシア医師が遠路はるばる44のもとに駆けつけ、「お前は自由なんだ!」と叫び、44ははじめて自由を自覚。そしてさらばキングクーロン、いやネオトキオ。以下感想です。

 さて、出崎監督作品において、世の女性ファンに究極的な齟齬を感じさせたオスカルとアンドレのベッドシーンから幾星霜。
 まず、往年のファンに一抹の不安を感じさせたに違いない「19歳のヒロイン」という設定でしたが、今回見ていておもったのは実は44は出崎ヒロインにしては結構がんばっているのではないかと(失敬な)

 ただし、44のモノローグがすべてを台無しにしているんですが。

 特に前半5話までの44のモノローグは、44の内面を語っているようで語ってません。
 思わず耳を傾けざるをえない44のモノローグを忠実に追っていけばいくほど、44がモノローグで心情を明らかにしているんだと考えるほど、視聴者の目線は44の表情やしぐさから視線をそらされてしまい、彼女が何を考え何を思っているか判らなくなっていきます。

 特に顕著なのが4話のマチルダ医師の診療所での会話のシーン。
 この直前のモノローグとは裏腹に、44はテンションだだ下がりでマチルダに甘えようとしてハッパをかけられます。

 

「このままこの男のそばにいるつもり? いつまで、なんのために? そうよね、そんなことはできないしありえない。あなたは国に追われる身だし、この男もいずれ仲間たちの元へ帰って行く。それかここにいることが警察に知られ警察が迎えに来る。どうするの? あなた一体どうしたいの?」

「今はただとにかくここにいたい。いられるならいたい」

「そんなのは恋とは呼ばないよ」(後略)

 

 マチルダ医師に「私ならどこにいっても大丈夫」と虚勢をはる44ですが、台詞とは裏腹にうつむいた44が言いたいことはその正反対のことでしょう。
 錯乱したルカに殴られ(…るだけのことはしている)、マチルダに「男のほうはあなたの恋心に気づいてもいない」と指摘され、44はここで失恋を自覚したのではないでしょうか。つきつめれば、4話の冒頭にはすでに自覚していたようにも思えます。

 ルカのために何もかも投げ打った結果、思いがけず自由を手に入れた44ですが、台詞からはそれを喜んでいるそぶりは感じられません。
 むしろ自由にとてつもない不安を感じていた44に、保護者代わりのガルシアが喜んでみせることで、はじめて44も喜ぶ。物語がそれまでの恋から成長に主軸を移し変えたのを感じる瞬間でした。

 

 一方、ガルシアですが、何人もの患者を捨て置いて地球からネオトキオに駆けつけるあたり、かなりの親バカと言えましょう。正直、ルカがどっかいっちゃったほうがガルシアには嬉しいのかもしれないですね。

 


 ネオトキオ編では、バーク刑事(安原義人)、724(藤原啓治)とチョイ役にしてはあまりにおしい面々が現れてはリタイア。バーク刑事あたりはしつこく復活してきそうな風情だと思ったんですが、オフィシャルサイトでの軽んじられ方を見ると復活はない模様。
 この二人、もうちょっと長生きしてたらいいギャグパート担当になったに違いないのに、いやーん勿体ない。

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