4月から5月にかけて読んだ本

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[遊民の系譜] 杉山 二郎

遊民の系譜 (河出文庫 す 11-1)

 いつもなら半月ペースで読書履歴をアップしてるのです、が、数年ぶりに読みわらない本に遭遇しました。1行中にこんなに情報量がある本は数年ぶり、いや、馬場あきこ著の鬼の研究以来の良書です。いかん、ウオー、面白い。

 ヒンドゥー・ロープ・マジックという表紙絵のキャッチーさに加え、帯の「傀儡子からジプシーまで」という煽り文句も実に軽薄に感じられて、どうせ半日あれば読みきっちゃうもんねー、などと気軽な気持ちで手に取ったのが運のつき。半月たっても一月たっても読み終わりません。まだ読んでます。調べてみるとこれは文庫化されたもので、ハードカバー版は20年ぐらい前に出ているようです、知る人ぞ知る良書だったんですね。

 この分だと読み終わるのはずっと先のことのようなので、あきらめてエントリをあげます。

[太陽の中の太陽 気球世界ヴァーガ] カール・シュレイダー

太陽の中の太陽 (気球世界ヴァーガ) (ハヤカワ文庫SF)

 人工天体という箱庭物ジャンルでも極めつけの一冊でした。ひさしぶりにSFらしいSFを読みました。

 気球状の人工惑星ヴァーガ、その内部は雲と気流が渦巻く、無重力の世界。諸国家は各自の人工太陽を中心に気流に乗って循環を続けていたが、移動性国家ラッシュストリームはその特殊性からやがて大国の領土を侵犯しようとしていて…

 街はリングをファンジェットエンジンで自転させながら重力を発生させ、国家はそれらの街やアステロイドの編隊飛行によって成立する。
 街と一口にいっても財力によって金属製だったり木製だったり、そして何より街の規模(リング)によって発生させられる重力が違うという周到さ。冒頭の世界観から好きな人にはたまらなそうですが、冒頭から巻末まで徹頭徹尾、この世界観ならでは!というアイディアがギッシリ餡子のように詰まっています。

 SFならではの、目的に向かってまっしぐらすぎていっそ清々しい登場人物たちも魅力ですが、メインはあくまで世界観。
 世界観を作り上げた後で人間ドラマに軸足を移してしまう、という作品も多い中、初速を衰えさせないまま異世界を旅するドライブ感・酩酊感は最後まで失速しない。次から次へとよくまあ考えるもんです。

「ジブリアニメ!」という人もいますが、私のイメージはどちらかといえば、米村孝一郎のストレガかなあ。

[水惑星年代記月娘〈ルーニャン〉] 大石 まさる

090525

 これもSF。しかもSF漫画! 何千何万と存在する漫画本の中で、ダイヤよりも珍しい奇跡の存在ではないですか奥さん!

 こういう話を読みたい読みたいとは頭の片隅で思いながら「いやいや、そんなものが実在するわけがない」という作品が、ぽんと、何気なくあったんですよ。詠巫女さんの表紙を見て思わずジャケ買い、ああ、それはもう奇跡的な出会いでしたとも。

 ひたすら希望を持って前進していくという登場人物たち、科学に裏打ちされてはいるけど、どこかほのぼのとした空気の漂う、すがすがしいストーリー。絵もまた硬派にも軟派にもならない絶妙なサジ加減、ゴマカシのない絵柄なんですよね。トーンも必要最低限で、ストーリーにピッタリマッチしてます。

 ああ、そうこれ! こういうの! こういうの読みたかったの! この漫画が実在するのが信じられない!

 月娘がこのシリーズの最終巻だったので早速第一巻を購入したところ、…おお、アプロだ。アプロがいた。


 本当は他にも色々読んではいるんですけど、1ヶ月たって記憶に残ってるのは上記ぐらいですね。

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