イエサブ7Fで愛を叫ぶ

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ダブルクロス・オリジン・リプレイ「未来への絆」最終巻感想

 やや間があきましたが最終巻感想です。
 最終巻は、ダブルクロスのまさに総括という感じで圧巻でした。そして何より、隼人・椿の二人のチルドレンの成長を描いた物語として見事に完結です。

 正体を現した瞬間には、ヤッパリネという感じでしたが、これまでの敵とはうってかわった「冴えない」といっても差し支えない外見のNPCがラスボスというのがグッときました。
 おもわず泡を食ってしまいそうなシチュエーションに、丁々発止で返すロールはあいかわらずお見事の一言。
 ナンデスカネー。この人たち、きっと脊髄反射でカッコイイ台詞とか負けロールとかしてますよ(あれは半端なプレイヤーが見ると凹みますね、かなり!) ああ、凡百のプレイヤーには到達できない世界の天井がそこに…(汗)

バイツァダスト
イサム君はアンダーソン局在使えますよね
[左]バロールの魔眼のイメージがつかめなかったもので…
[右]藤崎弦一(捏造)

(以下ネタバレがありますのでご注意ください)

椿ちゃん。萩尾望都の描く少女のような少女で好きです。萩尾望都曰く「少女は笑わない」だそうです。笑ったら少女ではない女なのだと。

相似形の二大組織

 巨大すぎ身近すぎるがゆえに、これまで全体像を把握できなかったUGN・FH両組織の発端が、オーヴァードが「人間を恐れるが故に」発生したと綾渕に指摘されるあたりはまさにカタルシス。やー、謎の組織の本質に迫るシチュエーションって大好き。
 綾渕が、UGNに属しながらFHにも属することが出来るというのは、能力の有無に先んじて「根本的にUGNもFHも同一である」という観念があったが為なんでしょうね。

 事実、綾渕が壊乱させたUGNはFHになり得、そしてまた、FHチルドレンの狛江はFHを離れていく…。
 狛江の台詞で「極悪非道のテロ集団UGN」というのがありましたが、───3巻のダインスレイフのエピソード、そして4巻のUGN支部の暴発と読者もまたその暗部を見せつけられ、狛江の言葉は端的にUGNの本質を指していたのかもしれません。無知の知。

 シリーズを通して、UGNの実体をまざまざと見てきたUGNチルドレンの二人は、最後で選択を迫られます。
 その一方、これまで憎まれ役で登場した藤崎というNPCが、最後の最後でクローズアップされて、こういう生き方もあるんだよとフッと軽く示されるのも絶妙。

綾渕という男

 決して声を荒上げるのではなく、またその理念に齟齬があったとしても、訥々と理想を語る綾渕の人物造詣は魅力的です。
 世界を揺るがす陰謀が、ごく普通のオープンカフェテラスで暴露されてしまう、というのもシュールで好きです。

糸というとどうしてもつい連想が… 阿紫花さんはまあ女子高生に粉はかけないんじゃないかという気がしますけど。
で、このあと「パク」をやって切り刻まれたらといいと。

 椿ちゃんの為に、というキッカケはあったとしても、───UGN・FHの両組織の間でさ迷いながら、深く長く、悩み続けてきたろう綾渕。
 彼の悩みはオーヴァード全体が共感する悩みでもあり、そして、平凡な容姿の綾渕が口にするからこそ、ひどく重みをもった言葉に代わる。
 綾渕の言葉は、PCたちのような強い要求をもったオーヴァードではない、舞台に取り上げられることのないオーヴァードたちの想いを代弁している、そんな風にも聞こえます。
 彼の提案に、PCたちは勿論、UGNの中枢までもが動揺してしまうというのが判る気がします。

 ───結局、綾渕の計画は「人との繋がりを断ち切る」が故に、PCたちによって退けられますが、よもやその計画を実現させるのが一巻の楠森七緒だとは…!
 楠森七緒の能力によって現実がリライトされていく、という第一巻の演出が面白くて堪らなかったところに、最終巻での彼女の再登場には不意をつかれました。
 似通ったシチュエーションが繰り返される(そしてますますシビアになっていく)、というのがシリーズ通しての傾向でしたが、いやーまさか彼女の再登場は予測しませんでした。スゴイスゴイ。

 七緒の能力を複製し孤独に耐えられる人間を作り出す、という綾渕の計画は、他人との関係性に頼らず、究極的には文明社会すらも必要としない何かに人間を変える、というものではなかったでしょうか。
 しかしそれはオーヴァードであるのを辞める為に「日常と引き換えに究極の孤独を選択する」、物悲しい選択です。
 隼人や椿が言う人々の日常を守る行為もまた、理解者を得ない限り孤独なものであり、───オーヴァードを理解できるのはオーヴァードだけかもしれないのは、どこか皮肉です。

(以下腐女子ネタがありますのでご注意ください)



本当のヒロイン

 で、本当のヒロインは霧谷さんでしたよねー

 ───で終わると身もフタもありませんが、圧倒的にヒロイン属性を発揮していたのはやはり霧谷支部長だったような。
 憎まれ役の藤崎さんはどう見てもツンデレだし! 霧谷に肩をかして出てきた瞬間から、こいつ霧谷狙ってるんだとゴースト(腐女子)が囁いてしかたがありません。ということで藤崎さん(攻)のルックスを捏造。
 霧谷はまったく気づかないで、藤崎が一人で悶々してればいいですね!(くわっ)

 霧谷・藤崎両名は、原作者王子が腐女子ファンに仕掛けたマーケティング戦略(カップリング)要員だと微塵も疑いません。ハイ。
 さすがは秋葉原の勤め人。ツボを… 心得てらっしゃる…!(喀血)

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